いちまんのいいことば

すてきなことばあつめました

小説

巨大建築に匹敵する芸術を見るためには今眼前の欠片を組み上げなければならない。

プログラムとは生い茂った樹木、そして森なのだ。 とてもちいさく単純な命令を組み合わせて関数をつくる。その積み重ねがより大きくて利用性の高い処理をつくりあげ、やがてそれはひとつのアプリに。さらに動的に結合し、通信しあい、サービスを作り出す。 …

のどかはやれる範囲のことをやろうとしてる。だったら、それでいいのはないだろうか。

だから、咲太はなんとかなるような気がした。はっきりとした根拠があるわけではない。だが、世の中のすべてが、自信と明確な根拠のもとに成り立っているわけでもないだろう。あまり気持ちのいい話ではないが、だいたいが宙ぶらりんのまま、なんとなくとか、…

問題は問題として共有してあげた方がいい。

「そんなことない」と言って、麻衣の言葉を否定するのは簡単だが、麻衣自身がそう思っていないのだから、言葉だけの慰めなど意味がない。問題は問題として共有してあげた方がいい。 ──梓川咲太(『青春ブタ野郎はシスコンアイドルの夢を見ない』より) 恋人…

面倒くさがらなければ意外と楽しさはそこら中にある。

面倒くさがらなければ意外と楽しさはそこら中にある。 ようは本人の気の持ちようだということを、ボールを弾ませて思い出した。 ──しまむら(『安達としまむら4』より) ほのぼの百合気味女子高生友情物語(要約) メインキャラの片割れ、しまむらの一言。…

人は叶わないかもしれないからこそ「願う」のであって、耐え難い欠落に対する叫びこそが「望み」なのだ

彼と出会って、決して叶えられない願いがこの世に存在することを知った。絶対に報われない想いの深い哀しさを知った。けれども、願わずにはいられない、望まずにはいられない、人間のままならぬ性を知った。 人は叶わないかもしれないからこそ「願う」のであ…

その縁を魅力的に思えるなら、大切に育ててみるといい。自分で思っているよりも、綺麗な花が咲くかもしれないぞ

動機はどうあれ、おまえは方石の世界との縁を手に入れた。もし今、その縁を魅力的に思えるなら、大切に育ててみるといい。自分で思っているよりも、綺麗な花が咲くかもしれないぞ ──白堂瑛介(『φの方石 ―白幽堂魔石奇譚―』より) 不思議な衣装を生成する方…

「ちがう。愛そのものに意味など無い、愛することが、奇跡なのだ」

レクスは知っている。誰かを求めるという簡単な思いが、しかし叶わなかった日々の事を、あふれ出しそうな愛を必死で押し殺して、誰にも向けずに過ごす地獄を。「まったく、うらやましい限りだぞ人間。そなたはいま、悪魔も王女もつかめなかった幸福の日々に…

覚悟を決めな。これがあんたの選んだ道さ。

剣でもなく、金でもなく、言葉なんて曖昧なものを武器にしたんだ。気持ちまで曖昧になったら、生きている意味なんてないよ ──カズラ(『レトリカ・クロニクル 嘘つき話術士と狐の師匠』より) 狼の部族の族長とともに部族の村に来た主人公シンと師匠のカズラ…

誰かと深い関係を結ぶというのは、自分の世界に別の世界が接続されることなのだと思う。

御崎は子ども時代の欠落を埋めようとしてくれている。 仮想都市内でも体験しか持たなかった映画館や花火大会に連れて行ってもらったときには、胸が浮き立った。きっと、一人だったら一生行かない場所だっただろう。誰かと深い関係を結ぶというのは、自分の世…

人間は矛盾してるものッス

「皐月っちは、案外、リーダーに向いてるかもしれないッスね」「ありがとう。僕もそう思ってたところだよ!」「とりわけ目立った才能がない分、謙虚なんッスよ。パッとみそうは見えないけど」「やっぱり傷ついた!」「皐月っちはチョーシのるタイプッスから…

この世界の人間は「みんな違う」という一点においてのみ「みんな同じ」 なのだ。

この世界の人間は「みんな違う」という一点においてのみ「みんな同じ」なのだ。 ──キヅナ・アスティン(『神様のいない日曜日外伝 7話』より) 人が死ななくなった世界で奮闘する少女の物語。 本編主人公アイの父の幼少時の話より引用です。 アルビノに生ま…

窮地を「切り抜ける」ためには、行動すること以上に、現状を正確に理解することが重要なんだ

いいか、夏目。人は窮地に追い込まれたとき、反射的に「動こう」とする。それは間違いじゃないが、重要なのは「正しく」動かなきゃいけないってことだ。窮地に留まるのはキツイ。何かしている方が楽だ。でもな。窮地を「切り抜ける」ためには、行動すること…

僕には、世界を変えることはできません!

でも、そんな僕でもひとつだけ変えられるものがあります。それが、自分の人生なんです。そして、自分の人生を変えることは、もしかしたら、周りの大切な誰かの人生を変えることに繋がるのかもしれない。そう気づかせてくれた人がいるんです。友達がいるんで…

本気でやれ。本気でやった努力を笑う事も、ましてや失敗したからって責める事なんてする訳ねーだろ。

「『本気でやれ。本気でやった努力を笑う事も、ましてや失敗したからって責める事なんてする訳ねーだろ。いいか? 責任者ってのは、責任取る為に居るんだよ。だからお前は、失敗なんて気にせずに本気でやれ』」 ──松代浩太(『フレイム王国興亡記 3巻』より…

<落とし穴の中で幸せそうにしている人>が描かれた物語を好むようになりました。

(略)僕は以前のように素直な気持ちでは<落とし穴に蓋がされている物語>を読めなくなりました。その代わり、<落とし穴の中で幸せそうにしている人>が描かれた物語を好むようになりました。僕は思ったのです。暗く深く狭く寒い穴の中で、強がりでなく微笑ん…

責難するは容易い、けれどもそれは何かを正すことではない、って

責難するは容易い、けれどもそれは何かを正すことではない、って ──青喜(『華胥の幽夢 十二国記』より) 慎思の言葉を伝える青喜。 采王・砥尚の遺言は「責難は成事にあらず」。もともとは慎思の言葉。 非難して悪の逆をすれば国が栄える。 そう世の中は簡…

人は自分の本音に、疎いものなんですよ。

「(略)──でもね、そんなふうに人は自分の本音に、疎いものなんですよ。私はそう思うんです。本当に望んでいるのは、これなのに、そうであってはならないと感じる、あるいはそれを望めばいっそう悪いことになるのじゃないかと不安に思う。不安に思っている…

理由が一つだと動けない。二つあれば合理的と理解して動ける。

理由が一つだと動けない。二つあれば合理的と理解して動ける。 ──しまむら(『安達としまむら 3巻』より) バレンタインチョコを買いに一人で名古屋に行くのは悩むけど、 旧友の誘いも加われば、行くしかないかと思ってしまう。 そんなしまむら。 ついでにあ…

『悪くない』も、悪くないけど。  いいものだ、と思えるときがわたしにもいつか来るだろうか。

『悪くない』も、悪くないけど。 いいものだ、と思えるときがわたしにもいつか来るだろうか。──しまむら(『安達としまむら 3巻』より) 体育館で授業をサボっていたのがきっかけで仲良くなった安達としまむら。徐々に縮まる距離に戸惑いつつも、これも悪く…

いつか子供たちは自分自身の意志で自分自身の人生を歩み始める。 歩み始めなければならない。

若者たちは生まれなおすのだ。 理不尽な強制としてこの世に生を受けた幼子は、若者となり、己の意志でもう一度生誕を決意する。 自分が何者であるかを胸に刻み、望んでこの世界に生まれた二度目の赤子として自分自身の生を歩み出すのだ。それは神聖なる契約…

弱さを認めることでしかわからないものもあるのだと思う。

でもきっと、実力がないことも、負けることも、無意味ではない。 弱さを認めることでしかわからないものもあるのだと思う。 ──アカツキ(『ログ・ホライズン6』橙乃ままれ著より) 自分の弱さを認めること。見つめること。 それは怖いことだけれど、そうしな…

僕は今、大変に恥をかいている。 しかし、逃げていない。歌声が懸命に前へ、前へと走っている。

菊原(『砂漠のボーイズライフ』入間人間著より) 女目当てという理由で相地に連れて行かれた演劇部の入部試験。恥ずかしすぎて、1度目は歌えなかった菊原が、2度めの挑戦。恥をかくことを恐れず、前に進む勇気を持つことの素敵さ。 砂漠のボーイズライフ (…

角を曲がれば、待ってるだろうか、 新しい道が、秘密の門が。

角を曲がれば、待ってるだろうか、 新しい道が、秘密の門が。 今日はこの道、す通りしても 明日またこの道、来るかもしれぬ。 そして隠れた小道を通り、 月か太陽へ、ゆくかもしれぬ。 J.R.R.トールキン(『指輪物語』より) 引用元の本題と直接つながるわけ…

人が幸せであるのは、その人が恵まれてあるからではなく、ただその人の心のありようが幸せだからなのです

采王 黄姑(『十二国記・風の万里 黎明の空(上) 』より) 倭国・日本から流されてきた海客の娘・鈴。 言葉も通じない世界で、いじめられながら暮らす日々。 普通に幸せに暮らしている人が羨ましくて仕方がない彼女に、采王が告げた言葉。 才能、環境、運命。…

俺は性格とか気質とか本性とかいう言葉を、あんまり信用していないんだ。

(略)俺は性格とか気質とか本性とかいう言葉を、あんまり信用していないんだ。そんなもの、状況によってどうとでも変わる。長い目で見れば、人によって異なるのは、『どういう状況に陥りやすいか』だけだと思うね。一貫性ってものを皆過剰信仰しているが、…

かっこ悪いっていうか、人間臭い人の方が、なんか一緒にいて安心するんだ。

「私さ、お姉ちゃんが何でも出来る人で、どうしても自分を比べちゃってさ。時々、それがプレッシャーにもなってたの。だからさ、かっこ悪いっていうか、人間臭い人の方が、なんか一緒にいて安心するんだ。逆になんの迷いもなく突っ走ってる人って、怖いって…

愛は世界を実際よりもすばらしいものに変えるって。

『沈黙の書』*1には、デリリアは知覚をおかしくし、論理的に考える力を失わせ、正常な判断を下す能力を奪うと書いてあった。でも、書いてないこともあった。愛は世界を実際よりもすばらしいものに変えるって。 レナ(『デリリウム17』より) 恋(=デリリ…

交感神経と副交換神経。ロンダリングに似てるかもしれません

「交感神経と副交換神経。ロンダリングに似てるかもしれません」「ええ?」亮が笑った。「緊張したものをおだやかな日常に戻すの」「ああ、なるほど」「おだやかな日常はすばらしい。おだやかな東京はなんて美しいんでしょう」りさ子は外を指さした。「だけ…

絶え間ない細胞分裂を毎日目撃してきたのだが、未だに上手く信じられないでいる。誰もがこうやって生まれてきたのなら、全ての出産は奇跡であり、全人類は一人一人が奇跡の人だ。

ノブ(『ケシゴムは嘘を消せない』より) そう思えれば、自然と相手を敬えるような気がする。常にそう思っていられるようにマインドコントロールするのが難しいけど。 物語の主人公ノブの言葉。 離婚した日に現れた透明人間の女タマと暮らすうちに、うだつの…

細胞は日々入れ替わっている。脳だってそうさ。

(略)人は変われるんだ。いや、人だけじゃない。変わることが、すべての生命に備わった普遍的な性質なんだ。細胞は日々入れ替わっている。脳だってそうさ。前と同じ自分というのは、認識上の錯覚でしかない。だから、君は変わることができる 斗和(『俺が生…