いちまんのいいことば

すてきなことばあつめました

「ちがう。愛そのものに意味など無い、愛することが、奇跡なのだ」

 レクスは知っている。誰かを求めるという簡単な思いが、しかし叶わなかった日々の事を、あふれ出しそうな愛を必死で押し殺して、誰にも向けずに過ごす地獄を。
「まったく、うらやましい限りだぞ人間。そなたはいま、悪魔も王女もつかめなかった幸福の日々にいるのだ。誰がなんと言おうと、俺はそなたを祝福する」


──レクス(『王女コクランと願いの悪魔2』より)

 

ランプの悪魔レクスと孤独な王女コクランの物語の二巻より。ランプの悪魔が人間になってしまってからのお話。 

孤児院の少年マーシュが後宮の姫を好きだという。身分も違うその恋を割り切っているという少年。それに対するレクスの言葉。

愛する。愛を語れる相手がいる。愛せる相手がいる。人が人を愛するのは当たり前みたいなところあるけれど、心から愛せる人に出会えるのは奇跡みたいなことなのだ。

言葉だけ抜き出すと伝わりにくいのかなぁ。長い長い年月を生きたランプの悪魔。寿命は長く、相手にする人間の一生は短い。そんな物語の中で読むからこそ胸に来るものがある。

てことで、一巻から本を読んで、実際にこの言葉を御覧ください(笑)