いちまんのいいことば

すてきなことばあつめました

人は叶わないかもしれないからこそ「願う」のであって、耐え難い欠落に対する叫びこそが「望み」なのだ

 彼と出会って、決して叶えられない願いがこの世に存在することを知った。絶対に報われない想いの深い哀しさを知った。けれども、願わずにはいられない、望まずにはいられない、人間のままならぬ性を知った。
 人は叶わないかもしれないからこそ「願う」のであって、耐え難い欠落に対する叫びこそが「望み」なのだと、彼の孤独な背中を見て思った。

 

──ミチル(『φの方石 ―白幽堂魔石奇譚―』より)

 

昨日とは逆に、主人公と対峙する側の少女の言葉。少女ミチルは、愛した人の望みを叶えるためなら手段を選ばない。そんな狂気を持った少女。

人間って、誰しもこういう面があって、それを隠してるだけだと思ってる。こういう人間の負の側面は、大抵の人は隠してるんだろうけど、やっぱり心のうちの何処かには存在する。叶わぬ願いに焦がれることだってあるし、望みのために手段を選ばないときもある。

それを否定するんじゃなくて 、そんな感情もあるからとそれを認めて、自分の願いをちゃんと自分で認めて、その上で前に進まないと。

願いに狂っていく少女の姿を見て、反面教師的にそう思った。