人が他人のためにしてあげらえることは、実際のところごくわずかですから
「そのですね、何か困ったことがあったら、遠慮なく私にいってください。そのときは、一緒に困ってあげます」
「なるほど。解決してくれるわけではないんだな」
「はい。人が他人のためにしてあげらえることは、実際のところごくわずかですから」
──荻上千草(『君が電話をかけていた場所』より)
人の悩みを聞くと、どうしても解決策を考えてしまう。
こういうの、どちらかというと男性に多いらしいんだけど、私は女性によくある共感をすることよりも解決方法に走ってしまう。
でも、男だろうが女だろうが、悩みを解決できるのは、結局自分自身だけ。周りの人間にできるのは、ほんの少しの手伝いと、そのストレスをちょっとでも和らげることぐらいなのだ。
自分になら解決できる、などと自惚れず、相手の言葉に耳を傾ける。それだけで本当のところは十分なのだ。