何も持っていない人間には、一つだけ強みがある。
何も持っていない人間には、一つだけ強みがある。失って困るものがないのだ。大切なものが一つあるだけで、人は常にそれを失う恐怖に苛まれるようになる。
──深町陽介(『君が電話をかけていた場所』より)
主人公の深町の言葉。元々顔にひどい痣があって、友達も全然いなくて、中学時代は不良という過去がある高校生。高校生活はすべてがゼロからスタート。どん底からの再スタートは失うものが何もないから、心なしかフットワークも軽くなる。
それが、一つ大切なモノができただけで、それを守ろうと足が重くなる。それが悪いんじゃなくて、何も持っていないのも、たったひとつの大切なモノがあるのも、大切なモノがいっぱいあるのも、どんな状態でもいいところはあるってこと。
何も持ってない人間にすら強みがあるのだから、強みのない状態ってないよね。そう思わせてくれる究極のポジティブ思考。
明日からまた別のところへ。