だれの言葉だったかは忘れたが、人間は魂のために、一日にふたつはしたくないことをしたほうがいいらしい。
だれの言葉だったかは忘れたが、人間は魂のために、一日にふたつはしたくないことをしたほうがいいらしい。
──わたし(『月と六ペンス』より)
主人公である「わたし」のぼやき的言葉で、本筋にはちっとも関係ないんだけど、なんか惹かれちゃったからご紹介。
人間、やりたいことばっかりやって生きてもいられない。大好きなことを仕事にしていたって、やりたくない事務仕事が付いてきたり、面倒くさい相手と付き合う必要が出たりする。
それに、人生の全てがやりたいことだけで満たしていたら、確かにそれはある意味自堕落になってしまいそうだ。一日中やりたいことだけやれて本当に幸せ、なんて言う人もいるかもしれない。じゃあ、やりたくないことはどこへ行ったのだろうか。
それから目を背けるってのは、なんだか徳を減らしそうな感じがする。あ、別に仏教に熱心なわけじゃなくて、私が、徳を積むことと、言霊を信じてるだけなんだけど。
一日たった二つくらい、やりたくないことをして、精神的に強くなる。それもまた、必要なことなのだ。
- 作者: サマセットモーム,William Somerset Maugham,金原瑞人
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2014/03/28
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (4件) を見る