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いちまんのいいことば

すてきなことばあつめました

この島には変わった魚などいくらでもいる。珍しくもなんともない。

タヒチでは、現地人もヨーロッパ人も、ストリックランドを変種の魚のように思っていたのだ。だが、この島には変わった魚などいくらでもいる。珍しくもなんともない。世の中にはおかしな人間がたくさんいておかしなことをしている。そんなふうに思っているようだ。彼らは知っていたにちがいない。人はなりたい姿になれるわけではなく、なるべき姿になるのだ、と。

 

──わたし(『月と六ペンス』より)

 

変人画家のストリックランドの最後の地、タヒチ。彼の死後、その場所を訪れた「わたし」が、そこで暮らす人々から聞いたストリックランドの印象についての言葉。

 

どうしても、ちょっと一般的常識と違うとか、変だとか、そう思う人を見ると、奇っ怪なものを見る目になってしまうけれど、そういう人って、変人度がずば抜けてるだけで、大体みんな、どこかしら大なり小なりはあっても、他から見て変な部分はあるもんだ。世界を見れば、隣のちょっと変わった奴が霞むぐらい変な人間なんてゴマンといるし、文化が違えば、生活が違って、それだけで変に映ってしまう。

私は、どちらかというと、常識とかマナーとかうるさめだと自分では思ってるんだけど、相手の迷惑になることはともかく、ただ自分の常識と外れてるってだけの場合は、うまいこと心の中と折り合いつけて、ただただ自分にとって変な意見をシャットアウトしないようにしていきたいものである。

 

月と六ペンス (新潮文庫)

月と六ペンス (新潮文庫)