死ぬまで諦めなければ、それについては悩まずに済む
「アドレットさん。もし、力を手に入れられなかったら……どんなに努力してもだめだったら、どうするの?」
「……難しい問題だな」
アドレットは静かに笑う。
「まあ、考える必要はねえさ。死ぬまで諦めなければ、それについては悩まずに済む」
──アドレット・マイアとロロニア・マンチェッタ(『六花の勇者 4』より)
仲間の一人ロロニアが、主人公アドレットの師匠アトロ・スパイカーの元で修行していた頃の会話。
努力しても叶わないことはある。一生をかけても叶わないことはある。
この物語の主人公アドレット・マイアは、地上最強を夢見て修行を続けた。確かに、修行を始める前よりは見違えるほどに強くなった。だが、他の仲間から見れば、彼は地上最強では全然なくて、自分たちに劣る普通の人間だった。
それでも、アドレットは地上最強を謳い続ける。そうやって諦めなければ、夢を失う恐怖を味わわずに済むとでも言うように。
って、なんか、切ない話になったな(笑)
違うんだ。そういうことが言いたかったんじゃないんだ。
「一生諦めなければ悩まずに済む」そう言い切れる強さがあれば、「きっと叶わない」と思って努力するよりも、うんと夢に近づける。
余計なことを考えずに、ただ前に向かっていく。
そういう潔さを手に入れたいと思うのだ。