過去を振り返らず、前を見つめたまま大事なことを忘れないために。 思い出は、必要なのかもしれない。
仲が良くて喧嘩したわけでもないのに、いつの間にか別れていく。
確固たる絆というものは、接着剤にならないのかもしれない。そうしたとき、どうすればいいのか。それに対する樽見の答えを聞いた気持ちになって、考えることが多かった。
過去を振り返らず、前を見つめたまま大事なことを忘れないために。
思い出は、必要なのかもしれない。
──しまむら(『安達としまむら (5)』より)
小学校時代の友達樽見に絵のモデルになって欲しいと頼まれたしまむら。どうしてそうしたいのか樽見に尋ねると、返ってきたのは、いつかまた会えなくなったときの思い出に、だった。その答えを聞いてのしまむらの感想。
あんなに仲良かったのに、ってたまに小中高の友人のことを思い出す。今でも誕生日のおめでとうメールは送るし、ふと気が向いて会うこともあるけど、普段はほとんど忘れてしまっている。
学校時代の友達なんて、学校に毎日いるから繋がれてた面もあって、いつも会える状態じゃなくなったら、途端に疎遠になってしまう。
周囲の人間のメンツが変わるのは、自分の立ち位置が変わっていくのとも関係あるんだろうけど、仲良かった人と次第に心理的距離感すら離れていくのは、なんだか寂しい。
そういう時に思い返せる何か形あるものがあれば、その寂しさが少しはマシになるんだろうか。
年の瀬ですね。
コレ書いてるときは、ちょうど大きな別れの決断をした翌日でした。
別れは辛いけど、新しい道への第一歩。