不合理には、表があれば裏もある。そして、その裏面は、実はけっこうありがたいものなのだ。
わたしたちは不合理だからこそ、新しい環境に順応し、他人を信頼し、進んで努力を払い、子どもを愛することができる。こういった能力は、わたしたち人間のすばらしい、驚くべき、生まれながらの、それでいて不合理な本質と、表裏一体をなしている。
──ダン・アリエリー(『不合理だからうまくいく』より)
序章より。
不合理がありがたいの詳細は、明日以降の紹介で語らせてもらうので、今日はばっくり大枠な感じで。
人間みんなが不合理なのだとすれば、合理的な人間とは一体どんな感じになるのだろう。きっと、真に合理的な人間を表すとすれば、それはロボットになってしまう。理性ではこうしたほうがいい、と思っても、なぜかそれとは別の行動をしてしまうのが、人なんだから、機械仕掛けのロボットでないと、本当に合理的には動けないんじゃないかな。
仕事や勉強で上手くいくことを考えると、合理的な方が都合がいいのかもしれない。理論的にこうしたほうがいい、ってのがあるのに、そうは行動できないってのが多いから。でも、行動できないのが普通でそれを無理してやっても続かないし、周りにそれを強要できない。不合理なのが当たり前なんだから。
だから、ただただ諦めろってわけじゃなくて、自分たちは不合理なんだな、って認めた上で、どう上手くそれと付き合っていくのか、それを考えるのが人間の面白味なんじゃないですかね。
不合理だからうまくいく: 行動経済学で「人を動かす」 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者: ダン・アリエリー,櫻井祐子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2014/03/20
- メディア: 文庫
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