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いちまんのいいことば

すてきなことばあつめました

「意味なんてないよ。意味なんて、人間の勘違いだ」

人生

 生きていることには、意味がない。

(中略)

 ふいな爆発で生まれた宇宙が冷えていくまでの過程で、気まぐれに生じた動物の脳に流れる意識が、意味を探し求めてさ迷うこの不毛な営みの全てが、正直言って僕には苦痛だった。

 

──岡田卓也(『君は月夜に光り輝く』より)

 

月夜を浴びると体が発光し、長生きは望めない不治の病──発光病。それにかかったヒロインと事故(?)で姉を失った主人公の、希望の見えない日々を綴った物語。

引用は、いつ死んでもおかしくないヒロインが自分の生きた意味を主人公に問うたときの回答。

私の生きた意味。

ある人の人生を語るに当たって、よく出てくる言葉だ。あとは、死の間際の人がうわ言で話す言葉のイメージかな。

そもそも、誰かが生まれることには、何かしらの意味がある前提で、人間の世界は回っているような気がする。けれど、他の動物の世界で、そんなことを考えているやつなんてほとんどいない。野生の世界では、生まれて一瞬で死ぬことなんてザラにある。それを見越して、子孫を残すために数を産む。まぁ、なんとか深読みしたら、子孫を残すのには意味があったのかもしれない。その一瞬の命にも。それで他が助かっているのだから。

でも、人間の考えてしまう意味って、そんなことじゃないことが多いんだよね。世の中に爪痕を残すというか、目に見えた形になった何かを残したがる。残そうとしない人は、だめな人扱いする人もいる。そうじゃないんだよな。

宇宙から見たら、人間ひとりひとりが生まれた意味なんて、きっと一つもない。それでも、自分が生まれた意味が欲しいのなら、少なくとも自分自身は納得できる何かを、自分で見つけるしかないんだよね。

不治の病系ヒロインの定めというか(おい)、このヒロインも最後には亡くなるんだけど、彼女は彼女なりの生きてきた意味を見つけられたんじゃないかと思います。あ、これってネタバレかしら。とは言え、この程度のネタバレならば、全然泣けるんで読んで欲しいです(笑)

 

君は月夜に光り輝く (メディアワークス文庫)

君は月夜に光り輝く (メディアワークス文庫)