人は自分の本音に、疎いものなんですよ。
「(略)──でもね、そんなふうに人は自分の本音に、疎いものなんですよ。私はそう思うんです。本当に望んでいるのは、これなのに、そうであってはならないと感じる、あるいはそれを望めばいっそう悪いことになるのじゃないかと不安に思う。不安に思っている自分が不快で、不安などない振りをすることもあるでしょうし、端から、これを望むのが当然だと信じて疑ってない、なのに心のずっと深いところで納得できてないってこともあるでしょう。人間なんて複雑なんです。いろんな想いが錯綜して、蓋をしたり捻れたりして、本当に望んでいることを覆い隠してしまう」
──青喜(『華胥の幽夢 十二国記』より)
朱夏が自分の理想の夢を見せる華胥華朶が何故あるのか、と問うた時のセリフ。
複雑な人間は自分の理想を再確認できる。
人間って複雑で、自分の本音に疎かったりするから、
華胥華朶のない現実では、初心に帰るのがいいかもね。