いちまんのいいことば

すてきなことばあつめました

誰かと深い関係を結ぶというのは、自分の世界に別の世界が接続されることなのだと思う。

 御崎は子ども時代の欠落を埋めようとしてくれている。
 仮想都市内でも体験しか持たなかった映画館や花火大会に連れて行ってもらったときには、胸が浮き立った。きっと、一人だったら一生行かない場所だっただろう。誰かと深い関係を結ぶというのは、自分の世界に別の世界が接続されることなのだと思う。

 

──伊江村織衣(『C.S.T. (3) 情報通信保安庁警備部』より)

 

今よりもずっとサイバー化が進んだ日本で、サイバー犯罪に対処する専門組織を部隊に綴られる物語。若くして部隊長を努める伊江村は、普通の少女としては生きられなかった。そんな彼女が恋人(仮)な御崎への想いを綴った箇所。

 

今はネットがあるから、引きこもっても昔よりは情報は入ってくる。でも、手に入れようとする情報は結局自分で選びとっているから、あんまりイレギュラーがない。

それと比べて、他人との中を深めると、想像もしていなかった出来事が起こる。自分では行かなかった場所に言ったり、自分は気にも止めていなかった情報が入ってくる。

今の世の中、簡単に一人でも生きていける。でも、それじゃあ、面白みは半減だよね。

なにやらハッとさせられた一言でした。