我々人間は他人を通してしか、本当の自分を知ることができない
ゆえに、社会的である必要がある。人間やそして多くの動物が社会を形成するのは、この自己を正確に認識しようとするがゆえなのかもしれない。
──石黒浩(『どうすれば「人」を創れるか: アンドロイドになった私』より)
鏡の中に映る自分は、他人から見られている自分とは違って、反転された姿の自分である。その時点で、もはや自分で自分を正確に認識できていないことになってしまう。
そういう見た目の認識もあるけれど、中身の認識のほうがもっと他人の存在が重要になってくる。より頭がいいとか、より優しいとか、よりずる賢いとか、他人がいないと自分がどの部分に突出しているのか、判別がつかない。
自分一人しかいない世界では、自分の才能には気づけないんじゃないかな。
それに、自己評価と他己評価って、結構ずれるんだよね。ずれてない人もいるのかな。自分じゃ大したことないって思ってることでも、人から見たらすごいことだったり、自分すげぇ!って一人で大喜びしたことが、世間的には大したことなかったり。そこをすりあわせていかないと、永遠に自分のことを正しく認識することなんてできやしない。ま、それでも100パーセントなんてありえないんだけどね。
どうすれば「人」を創れるか: アンドロイドになった私 (新潮文庫)
- 作者: 石黒浩
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2014/10/28
- メディア: 文庫
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