いつ、誰と結婚するのが「正解」なのかは誰にもわからない。だからこそ、なんとなく胸をしめつけられるような強迫観念ではなく、自分にとっての「今日の正解」を大事にする毎日が必要なんじゃないかと思っている。
フツーはこうあるべきという強迫観念からとおくはなれた「ナチュラルな今日の気持ち」で、そして、「自分たちの前向きな意思」で、思い残すことなく結婚したいのだ。
(中略)
人生は短いようで、それなりに長い。そしてそれには、明日のために今日があるという視点ではなく、素晴らしい今日のくりかえしを大事にするという視点こそが重要だと僕は思っている。社会性も計画性も大事だけど、それだけのために、自分たちの心を殺すのはまちがっている。
──桐谷ヨウ(「DRESS」より)
まだ未婚の私が言うのもなんだけど、結婚って幸せの一つのカタチだと思うのね。まぁ、結婚がゴールじゃないって話はそこかしこで聞いたことあるし、結婚してからが長いのは事実なんだから当然なんだけど。別に、絶対に結婚を見据えないといけないなんて決まってないんだから、「べき」論で結婚しちゃダメなのよね。
まだまだ、付き合ってしばらく経ったら結婚して子供作って、って流れが普通で、あるべき姿っていう風潮があるから、それに乗っからないと違和感を抱くんだろうけど、そんなの本人同士の勝手なんだけどね。
それは恋愛に限らず、働き方とか生き方とか全部一緒で、正社員で働くのが正しいなんてのもないし、本人が幸せならフリーターでもいいじゃんって思う。老後が大変だぞ!っていうお節介なアドバイスはするかもだけど(笑)
昭和の時代は、こうあるべきに乗っかれば幸せに生きられたけど、今はどれが幸せってのが見えないから、日々、これが正解って思う道を選択していくしかないんだよね。
べき論に乗っかってるつもりないけど、私は早く結婚したいけどな!(笑)
仕事ができて、小金もある。でも、恋愛だけは土俵にすら上がれてないんだ、私は。
- 作者: 桐谷ヨウ
- 出版社/メーカー: ワニブックス
- 発売日: 2016/02/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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つねづね疑問に思っていることがある。なぜビジネスパーソンは、平気で不調のまま仕事をするのか?
ビジネスパーソンも体と頭を使って最大の成果を出す点において、アスリートと変わらない。アスリートだけが心身を鍛える必要があり、われわれ「ビジネスアスリート」が心身を鍛えなくていい、というわけではない。
日々のトレーニングをしないアスリートはいない。ビジネスアスリートもトレーニングを習慣にして、心身を整えておくべきなのだ。ましてや「寝てない自慢」をするようなビジネスマンなど、最悪である。
──竹下雄真(「ダイヤモンド・オンライン」より)
寝てない自慢はしたことないと思うけど、「睡眠足りてないから今日は無理」発言はよくしてるかな(おい)
いやね、本番に向けて鍛えて努力して、最高の状態でその日を迎えるって話だと、ビジネスマンだろうが、アスリートだろうが一緒だと思うんだけどね。ただ、アスリートの本番って試合の時でしょ。それ以外が鍛えるところで、体調悪かったら休むよね。ビジネスパーソンの本番がいつなのかは、職種によっても違うんだろうけど、それに向かって準備をしなきゃいけないわけで。準備段階でへろへろなのは、ある意味、当然とも言えるんじゃないのかね。
と、まぁ、そのへんが非常に引っかかる文章だったんだけど、取引先との打合せとか、社内への新規事業の提案だとか、そういう大事な場面でも、準備ができてない上に寝てない自慢したら最悪だけど、日々の準備段階では、たまにはヘロヘロでもいいんじゃないかなぁ。
趣味に時間をつかったがために、睡眠不足。でも、寝る時間を優先したらストレス解消にならない。なんてこともあるだろうしね(私だけ?)
悪用できない技術は、実のところ本当に役に立つ技術にもならない。
新しい、役に立つ技術とは世の中を変える力を持っている技術であり、良い方にも悪い方にも使われて、社会に不可欠な技術となっていく。たとえば、原子力の研究は爆弾を作ることもできるが、発電をすることもできる。インターネットはビジネスに不可欠だが、子供には不適切な性的な情報を日々大量に配信している。
──(『どうすれば「人」を創れるか: アンドロイドになった私』より)
IT業界という最先端のものを取り扱うことの多い環境に身を置く立場としては、捨て置けない言葉だ。でも、この本全体を読めば、その言葉も納得なのかもしれない。
主題となっている、人と見た目にはほぼ変わらないアンドロイド。それは本当に最先端の技術が結集した素晴らしいものなのは間違いない。間違いないけれど、それが誰しもに役立つものかと言われると、現時点では首をかしげるしかない。何せ高い。一般人には手が出ない。容易に使えないという意味では役に立つ度合いは低い。低いけれど、悪用しようとする人が入り込む余地もほぼ無いような気がする。よっぽど関係者で悪どい人がいれば別だけれど。
それとは違い、本書の最後の方に出てきたテレノイド。こちらは携帯の進化版とも呼べそうなもので、サイズもコンパクトでアンドロイドに比べれば、雲泥の差で手頃のようだ。もちろん、機能面で役立たずなわけではなく、声だけの情報でやり取りするにもかかわらず、携帯で電話するよりも相手を身近に感じる代物らしい。となれば、有用性も高いが、悪用性も高くなる。
技術者の端くれとしてはなんとも頭を抱える事態である。でも、だからこそ、その悪用性の高さも頭に入れた上で、有用性の高いものを作っていくしかないのかもしれない。
それから、使い手としては、危ない危ないばっかり言わずに、その技術が良い技術か悪い技術かは使い方によって変わってくる。悪いのは技術自体じゃないってことを肝に命じないといけませんね。
どうすれば「人」を創れるか: アンドロイドになった私 (新潮文庫)
- 作者: 石黒浩
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2014/10/28
- メディア: 文庫
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自分の経験とは、実は自分の頭の中に記憶されているだけではなく、社会の中で多くの関係者の頭の中に記憶されているものだ
考えれば当然のことで、自分の記憶容量には限界があり、自分について全てを覚えることはできない。しかし、自分を取り巻く無数の周りの人間の記憶容量を合わせればかなりの量になり、自分では記憶できないこともたくさん記憶している可能性がある。
(中略)
自らの経験は自らの頭の中でにあると、何となく考えてきた。しかしそれは正しくなく、自らの経験は、社会の中で共有されているものなのである。
──石黒浩(『どうすれば「人」を創れるか: アンドロイドになった私』より)
どうにも「経験」というものは、それを実際に体験した本人のものっていう印象があるんだけど、それだけとも言えないってことに気づいた。
まぁ、一般人だと少ないんだろうけど、有名人だと、誰それがどこどこで何をしていた、なんて話が、本人も覚えてないところで囁かれることも、非常に多いのではないだろうか。
なんたって、人生の全ての出来事を記憶できる人なんていないわけで、私も、アレそんなことやったっけ?ってなことを言われることが普通にある。相手の勘違い記憶違いの場合もあるんだろうけど、全部が全部そんなわけもない。
忘れる経験があるのは仕方がないことだ。でも、その経験が自分の中に何がしかの影響をしたことは間違いない。それを覚えているのが自分だろうが、他人だろうが、それはやっぱり自分がやったことなのだ。
己の記憶がすべて、という考えもあるんだろうけど、私としては、例え忘れたとしても、自分に起こった出来事はすべて自分のもの。覚えているのが他人だけだとしても、と考えるほうが、なんだか前向きで貪欲で私好みな気がするのだ。
どうすれば「人」を創れるか: アンドロイドになった私 (新潮文庫)
- 作者: 石黒浩
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2014/10/28
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ホクロにこだわる自分自身が奇妙にも思えた
四〇年のつきあいがなければ、そのホクロを取ることには全く抵抗を感じないという確信があるにもかかわらず、なぜか、四〇年の年月にこだわっている。(中略)過去の自分にすがる気持ちなどはないと思っていたはずだが、このホクロをきっかけにまだ多少なりとも残っている自分の過去へのこだわりに気がついた。
──石黒浩(『どうすれば「人」を創れるか: アンドロイドになった私』より)
美容整形でホクロを取るって話からの派生なんだけど、特別、体にとって必要性のないホクロという存在でも、四〇年もの付き合いがあれば、執着してしまうものなんだ、という新鮮な驚きがあった。確かに、私も泣きぼくろがあるんだけど、他の人にもよく注目されるせいか、こいつを取るとなると抵抗を感じる気がする。
過去に執着しないのは難しい。過去というか、これまでの自分かな。今までこれで上手くいっていたんだからという自信とか、今まで一緒にいたんだから離れるのが苦しいっていう愛着とか。そういうずっと自分の中にあった感情とか記憶と別れるのってやっぱり辛いんだよね。
そりゃ、嫌いでも情が移って別れられない人がたくさん出てくるわけだよ。だって、ホクロと別れるのですら抵抗感あるんだから(笑)
著者はその執着に気づいたからこそ、それを取っ払うためにもホクロを取ったらしい。確かにそれも一つの手だ。止めようとする自分を抑えこんで、行動に出てみる。そうすると、新しいモノが入ってくる。執着消すのって難しいけれど、無理やり離れてみるってのはそういう意味では得策なのかもしれない。
どうすれば「人」を創れるか: アンドロイドになった私 (新潮文庫)
- 作者: 石黒浩
- 出版社/メーカー: 新潮社
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