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いちまんのいいことば

すてきなことばあつめました

僕は自分がとりあえず牡蠣ではなくて、小説家であることを喜ぶ。

油で揚げられてキャベツの横に寝かされていないことを喜ぶ。自分がとりあえず輪廻転生を信じていないことをも喜ぶ。だって自分がこの次は牡蠣になるかもしれないなんて、考えたくないもの。

 

──村上春樹(『村上春樹 雑文集』「自己とは何か(あるいはおいしい牡蠣フライの食べ方)」より)

 

私は輪廻転生信じてる方なんだけど、確かに牡蠣にはなりたくない。

それに、生まれ変わりと言ったら、また人になると思い込んでいる。人ではなくても少なくとも哺乳類ぐらいだろうと思い込んでいることに気付かされてハッとした。

次が蚊かもしれないし、ムカデかもしれない。一瞬で踏み潰されて一生を終えてしまうような生き物でないなんて言い切れない。

そう思うと、今、人として生まれたことに、もっと感謝しなくちゃいけないねぇ。

当たり前を幸せと思う心、それを忘れたくはないもんだ。

 

村上春樹 雑文集 (新潮文庫)

村上春樹 雑文集 (新潮文庫)