たぶん僕らはこう思う。なんという困った社会に僕らは生きているのか、と。
僕らは腕組みをしたり、頭をかいたりするかもしれない。でも好むと好まざるとにかかわらず、それが僕らの住んでいる世界なのだ。僕らはその中で生きていくしかないのだ。そこからむりに出ていこうとすれば、僕らの行き先は「本当ではない場所」になってしまう。
世の中は困ったことだらけである。毎日新聞には事件が掲載され、テレビニュースも良い事より悪い事の方が多い。格差は広がるばっかりで、インターネットは人を便利にしたけれど、それで新たなタイプの犯罪も現れた。
いいことも悪いことも世の中には溢れている。
でも、その中で私たちは生きていくしかない。いや、それ以外の選択肢って基本的にないんだけど、改めてそれを意識するのとしないのとでは違うのかなって。
知ってて諦めるのと、知らないのとは大きく違う。理不尽をただただ泣き叫ぶくらいなら、しょうがないよねと前を向いていくほうが断然良い。
人生楽ありゃ苦もあるさ。それくらいのほうが面白いのだ。
『からくり民主主義』 という本の解説として書かれたもの。