いちまんのいいことば

すてきなことばあつめました

小説

ちょっとしたきっかけで、世界は変わる。……ただ、そう信じていられれば。どんな未来だって変えられるような気がする。

葵(『葵くんとシュレーディンガーの彼女たち』より) 大いに世界を変えた(世界を消滅から救ったかもしれない)葵の言葉だから、ちょっと重いよね。でも、現実世界でも、ちょっとした行動の積み重ねが未来を変えるのだから、あながち間違ってはいない。 葵…

涙が泣きやむためにあるからだ。

母が死んで、父が死んで、夢が砕けてなきわめいても。それでもいつか、不義理なくらいに涙は止まる。 それはきっと、涙が泣きやむためにあるからだ。悲しみを塩水にかえて、自分の体から追い出す、ためなのだから。 だから、自分は、泣くのが好きなのだ。 ア…

「周りがどう見るとか、人にどんなふうに言われてるとか、そんなことあなたは関係なかったんですよね。」

「あなたのこと、孤独だとかいろいろ勝手に思ってたんですけど、それ間違ってました。間違ってますよね? 周りがどう見るとか、人にどんなふうに言われてるとか、そんなことあなたは関係なかったんですよね。そんなんよりも、もっと、広い宇宙の中で自分はこ…

「また! それなんですか! みんなみんな! 私が不幸になるとか、幸せじゃなくなるとか、勝手に決めて! 何様のつもりなんですか! それは全部わたしのです!! 私が不幸になるのも! 幸せになるのも! ぜんぶ私が決める事です! 勝手に隠して、嘘吐いて! それでなんになるんですか!? そうやってすべてが台無しになるまで気づかなかった人がどんな気持ちになるか! 分からないんですか!?」

アイ・アスティン(『神様のいない日曜日Ⅱ』より) 人生はすべてその人のもの。他人がこの方が幸せとか、こうしたら不幸になるとか決めちゃいけない。 神さまのいない日曜日II (富士見ファンタジア文庫) 作者: 入江君人,茨乃 出版社/メーカー: 富士見書房 発…

自分が 自分に 出会うとき  あなたにも いつかある  自分が 自分に 出会うとき  あなたにも きっとある

タカミ カラ(『魔女の宅急便3』より) 落ち込んだってへこたれたって失敗したって、笑顔の自分は消えてしまってはいないから。だから一歩動き出す気力さえ取り戻したら、もう一度立ち上がって歩き出すことだってできる。 魔女の宅急便はほんわか心温まる言…

「(略)でも、父の意見では、時の流れというものは、すでに本のように書かれてしまったものだというのよ。巨視的宇宙観からすると、これから起こることすべては、すでに起こってしまっているのだと、父はいってるわ。だから、もし未来の人間が過去のできごとに力を加えても、それはそのできごとの一部になって──そもそもからそういう部分はあったという簡単な理由から、決して矛盾は生じ得ないのよ」

ジュリー(『たんぽぽ娘』より) 定められた未来に進むだけしかないとしたら、悲しい。 でも、それはこれから何をしても未来は変わらないということじゃなくて、定められた未来に向かって自分が努力するってことだと考えるといいのかもしれない。 たんぽぽ娘…

不用意にもらす言葉こそ、ほんとうらしいものをふくんでいるのだ。葉蔵はいま、なにもかも、と呟いたのであるが、これこそ彼がうっかり吐いてしまった本音ではなかろうか。

『晩年』より ポツリと漏れた本音。飾り立てたれた作り物ばかり演じている中、こぼれ落ちた本音にこそ意味があるのかもしれない。何を言っているんだ……。うっかり漏れる本音って怖いよね。 晩年 (新潮文庫) 作者: 太宰治 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 20…

それでも散歩の途中で、野菊の咲いているのを見かけたりすると、ほっとして重荷の下りたような気持になる。その可憐な風情が僕に、「お前も生きて行け。」と囁いてくれるのである。

主人公(『落穂拾い』より) 道端の雑草。誰かから水を与えられたわけでもないのに、のびのびと生きる姿。雑草根性とはよくいったものだけれど、やっぱり勇気づけられるよね。 落穂拾い・犬の生活 (ちくま文庫) 作者: 小山清 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売…

「あのまま無様にお迎えを待つより、よっぽど幸せな死に方ができそうじゃないか」

ばーちゃん(『俺のかーちゃんが17歳になった』より) 自分の人生の残りのほとんどを費やしてまで、孫と嫁を守ろうとするばーちゃん。まだまだなんでもできるってのに尻込みして足踏みしている私の方が、よほど無様な生き方してるよ。 俺のかーちゃんが17歳…

人はどこで違えるのだ。どこで理想ではなく欲望に従うようになる。それとも、人の理想そのものが容易く欲望に変じる性質を持つのか。

(『No.6 #8』モノローグより) 欲望と理想は紙一重。その欲望を気持ち悪く感じるのは、私が潔癖なのかしら。 NO.6〔ナンバーシックス〕♯8 (講談社文庫) 作者: あさのあつこ 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2013/07/12 メディア: 文庫 この商品を含むブロ…

「──不可能なことなど何もない。真実を覆すことさえも」

フィッツラルド(『騙王』より) こういう自信こそが不可能を可能にするんだよなぁ。 自分のマインドを貪欲な方向にシフトチェンジさせるのが重要。 騙王 (メディアワークス文庫) 作者: 秋目人 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス 発売日: 2011/07/2…

彼が彼女を大事にする、その気持ちが自分に向けられたらどんなだろう。他人の恋ばかり眩しく見えて自分の恋はおざなりだった。

柴崎 麻子(『別冊図書館戦争Ⅱ』より) 「他人の恋ばかりが眩しい」に非常に共感。 普通の恋がしたいのに、普通が息苦しい。 私も幸せになりたい。 笠原や柴崎みたいに、阿吽の呼吸で繋がれるよな人と。 ※コメント時まま(2013/07/05) 別冊図書館戦争II (図…

ただ、愛する人達が楽しそうに喋る顔を、一秒でも長く見ていたかっただけさ

杉崎鍵(『生徒会の祝日 碧陽学園生徒会黙示録8』より) くっさいけど、これがかっこいいんですよね。愛する人達の笑顔のためなら、別に自分がどうなろうといいっていうこの感じ。無償の愛って、まさにこれ。私もそんな風になりた……うーん、そうでもないか…

坂本秋月(『明日、ボクは死ぬ。キミは生き返る。2』 より)

「おまえのそばにいてやれないのが悔しいよ。なんでこんなに遠いんだろうな。でも、どれだけ遠くてもおまえはひとりじゃない。だから泣くな。泣かないでくれ。必ず、俺がたすけてみせるから!」 女の子と二心同体になってしまった少年の言葉。 片方ずつしか…

アイスバーン(『氷の国のアマリリス』より)

「命がひとつしかないなら、全部おまえにくれてやる。そして俺はおまえの愛を全部いただく。これでおあいこ──半分こ、だ。」 冷凍冬眠する人間を守るロボットたちの物語より。 死にかけたアイスバーンが、ヒロインのアマリリスに言った言葉。 今読むとキザっ…