国防には直接役立ちませんが、我が国を守るに値する国にするのに役立ちます
かつてアメリカのフェルミラボの所長であったウィルソンが、素粒子分野の研究のために、大きな加速器を作りたいと提案しました。1969年に議会に呼ばれた彼は「それは国防に役立つのか?」と質問されます。ウィルソンは「国防には直接役立ちませんが、我が国を守るに値する国にするのに役立ちます」と答え、科学者の心を奮い立たせました。そして完成したのが、テバトロンと呼ばれる当時の代表的な加速器です。今の時代にはおそらく通用しない冷戦下ならではの言葉ですが、非常に上手な返し方をしたわけです。
横山 広美(「東洋経済オンライン」より)
ものごとの本質を見るってこういうことだ、と思わせてくれた一言。
人が生きる上では、特別必要ではないこと。
でも、そんなすごいことができれば、私たちの価値はもっと上がるんです。
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- 作者: 横山広美
- 出版社/メーカー: 秀和システム
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