僕、日本人って「ちょっとしたイノベーション」を見過ごして、「ものすごく大きなイノベーションを起こさないといけない」と考えている気がするんですよ。
もちろん、技術的なイノベーションが起きれば、階段を登るように大きく飛躍することもありますよ。けれど、大きな段差を登るのは面倒くさい、というユーザーもいます。これからは、UberやLINE TAXIのように、なだらかな坂道を自然にすーっと上るようなイノベーションがさらに大事になってくるでしょう。
──森川亮(「ダイヤモンド・オンライン」より)
「自然」な動きを実現する。「自然」な動きを止めてしまう原因を排除する。そのための小さなイノベーションを起こす。
記事の中で小さなイノベーションってのをICカードで表現してるんだけど、わかりやすいし、個人的にぐっと来た。ほんの何年か前までは、切符を買うのが当たり前で、徐々に各地方のICカードが登場して、気がつけば全国で相互利用可能になった。これって、段階的に小さなイノベーションをしてる。
切符を買ってたころは、行き先への値段を探すのが手間だった。その手間をなくすには?というのが、ICカードの登場。これが最初のイノベーション。
次に、出張や旅行で別の地方に行った時に、せっかくラクに使えるICカードが使えなくて面倒だった。それが全国で使えるようになって、国内にいる分には大体切符のストレスから解消された。これが2つ目のイノベーション。
どっちも、スッと改札を通って電車に乗り込むっていう「自然」な動きを実現している。
ICカードって、かなりの革命だったと思うんだけど、取っ掛かりはすごく小さなことよね。切符を買うのがめんどくさいっていう。そんな小さなことでいいからイノベーションしていくと、ある日振り返ってみると、えらい変化が起こっている。そういうこともあるんだってことを忘れないようにしないと。