生きることが辛いから死にたがってる。それって『生きて』ないんだよ。生きようとしないうちから死ぬなんてモッタイナイよ
ボクも心の中でずっと、『もう生きたくない』って思ってた時期があるよ。もう癖みたいに、ずっと(中略)でも、ある日気がついたんだ。物事が思うようにいかない時、ボクは『もう生きたくない』って思ってたんだって。死ねばそれで終わりだと思って、嫌なことから逃げてるんだって
──アキ(『ひとつ海のパラスアテナ (3)』より)
友人のオルカのぬいぐるみを探すため、たった一人で残ったアキ。ぬいぐるみが見つからないどころか、もらった船は浸水するし、自分で選んだことなのに一人は心細い。何もかもが上手くいかなくてもう生きたくないって思っていた。
なんとかその状態を生き抜いて、ダイバーのシュマリとともに潜った深海の底。そこにあった潜水艦の中で負傷したシュマリは、ここで死ぬと言う。それを止めようと励ますアキの言葉。
生死の境をさまようようなことは、なかなか起きない。ひどいウィルスに感染したとか、交通事故にあったぐらいがありえるのかな、年寄りでなければ。
それでも、もう死んでもいい。こんなに辛いなら死にたい。と思う瞬間は結構たくさん訪れる。
私なんて、積極的に死のうとは思わないけど、明日地震が起こって苦しまずに死ねるなら、それはそれでありかもしれない、なんて思っていた時期もありました。まぁ、不安だらけのご時世ですから、未来に希望があんまり見えなかったんだろうな。
今でもあんまり希望は見えてないんだけど、日々が楽しいのでとりあえず生きてます。とりあえずでも、生きていれば何かが変わるから。
死んだら何もかも終わってしまうのは、なんだかモッタイナイ。その考え方はすとんと胸に収まってきた。